10月 6, 2018 カテゴリー: 作業療法学科ブログ, 保護者の方へ, 教職員の方へ, 社会人の方へ, 高校生の方へ
少し前の話になりますが、作業療法学科1年生で9月26日に基礎作業学実習(写真)が開講されました。
講師は写真家の平井慶祐氏。
NEWS ZEROの「ZERO human」でも特集された方です。
「なぜ写真家が医療福祉の教育現場に?」と思う方も多いと思います。
実はこの授業、多面的な物の見方を学んでいただけるよう写真撮影を通して、視野を広げてもらうことも目的としています。被写体に対して、いつもの目線から写真を撮影しても大きく代わり映えはしません。自分の姿勢を変え、近づいたり離れたり、下から見上げたり上から見下ろしたり、普段しないような見方をすることで新しい気づきや発見があると平井氏はお話しされました。
例えば醤油の空き瓶。
下から覗けば今まで見ていた醤油の瓶とは違って見えます。
作業療法士として患者さんや利用者さんの動作を観察しているときも同様です。
一つの動作や現象を解釈するするとき、「こうだ」と決めつけてしまうことが最も危険な事となります。
常に視点を変えて観察し、患者さんや利用者さんの可能性を引き出す見方が作業療法士には求められます。
そんな視点の変化は、教科書や参考書で学ぶより、作業を通して感じてもらうことが最も効果的だと思います。学生たちは様々な被写体を探し、様々な方向から覗きこんでいました。
平井氏は最後に続けます。
「レジリエンス(Resilience)という言葉はご存知ですか?」と。
「回復力」「復元力」あるいは「弾力性」とも訳される言葉で、「しなやかさ」というように解釈するいいかと思います。いま海外では専門性が高い教育を目指すより、変化し続けられる人こそ社会が求めている人だと言われています。
この変化し続けられる人こそ、視点を変えられる人、決めつけない人、臨機応変に自分を変化させられる人のことだと思います。
地域医療・地域福祉の中で力を発揮することができる人は、まさにそのような人だと思います。
視点を変幻自在に変えられる作業療法士になってもらいたいですね。
作業療法学科 教員 廣瀬武