3月 27, 2019 カテゴリー: 保護者の方へ, 社会人の方へ, 高校生の方へ
卒業生代表として作業療法学科の窪田 綾音さんから送られた答辞をご紹介します。
高校卒業後、将来どんな職業に就きたいかも定まらず、親に勧められるままに入学したサンビ校で、勉強する意味や目的すら見いだせない中で留年を経験し、葛藤をしながらも現場実習や周囲の励ましに触れ自己成長していく様を涙ながらに語ってくれました。(以下は原文のまま)
答 辞
暖かく柔らかな日差しと共に、春の訪れを感じる頃となりました。本日、私たち卒業生は、それぞれの過程を修了し、このサンビレッジ国際医療福祉専門学校を巣立ちます。
理事長、校長先生をはじめ諸先生方、ならびにご来賓の皆様のご臨席のもと、このように盛大な卒業式を挙行していただき、卒業生一同、心からお礼申し上げます。
私がサンビ校に入学したのは、「母に勧められて」というのが正直な理由です。高校3年生で進路を決めるとき、将来どうなりたいか、どんな職業に就きたいか考えていなかった私は、母に勧められるがまま進学を決めました。作業療法士になりたいと思って入学したわけではなかったため、授業に身が入らず、ついていくことはできませんでした。そのような状態で、進級できるはずがありません。今振り返ると、その時の私は勉強する意味や目的が見いだせず、ただただ流れに身を任せているだけだったように思います。
2度目の2年生のとき、4週間に及ぶ臨床実習がありました。この実習で、実際に作業療法士として働いている先生の患者さんへの思いや考え方に触れ、私自身の考え方や物事の認識がいかに甘く、マイナス思考で偏っていたかに気づくことができました。全然できていないと嘆くのではなく、等身大の自分を受け入れ、あきらめずしっかりと考えること。殻に閉じこもっている自分を開放し、とことん自分と患者さんに向き合うことを学びました。
3年生では、8週間の実習が2回あります。1回目の実習では、認知症の患者さんを担当しました。見当識障害により、不安になられている患者さんに楽しんでほしい、笑顔になってほしい、安心してほしいと思い、必死にプログラムを考えて関わりました。関わっていく中で笑顔が増え、楽しんでくださる様子が見られるようになり、とてもうれしくなりました。2回目の実習では、周りの状況をみて積極的に動くように意識しました。その結果、リハビリの先生方から、リハビリテーションチームの一員として受け入れられ、認めていただきました。この経験は、私にとって大きな自信となりました。
今、私は患者さんに寄り添い、不安な気持ちも話してもらえる信頼される作業療法士になりたいと思っています。
このように私が変化していけたのも、臨床実習での経験はもちろんですが、何よりもクラスメイト、先生方の存在があったからです。クラスメイトとは、泣き笑い、切磋琢磨しながら勉強してきました。思うように国家試験の模試の点数が伸びず、心折れそうになりながらも最後まで必死に頑張れたのは、クラスメイトがいてくれたからです。たくさん声を掛け合いましたね。一緒に様々なことにチャレンジしましたね。今日、この日を、このかけがえのないクラスメイトと共に迎えられること、大変うれしく思います。先生方は、私にとって信頼でき、色々なことが相談できる存在です。時には先生の言葉に反発してしまうこと、相談しながら泣いてしまうこともありました。それでも、いつも寄り添い叱咤激励しながら、私の歩むべき道を示してくださいました。これからも躓いたり悩んだりすることがあるときには、先生方に相談しに行きますね。そして、この場を借りて母にもお礼を言わせてください。母には感謝しかありません。「この学校を勧めてくれてありがとう。留年したとき、背中を押してくれてありがとう。見守ってくれてありがとう。」
在校生の皆さん、今、自分が歩んでいる道を信じて頑張ってください。躓いたり悩んだりしたとき、互いに励まし合えるクラスメイトがいます。相談でき、激励してくれる先生がいます。支えてくれる家族がいます。常に感謝の気持ちを忘れず困ったときには助けを求めてください。同じ道を志す皆さんが、有意義な学校生活を送られますことを心からお祈り申し上げます。
最後となりましたが、理事長、校長先生をはじめ、ご臨席の皆様のご健勝を念じますとともに、私たち卒業生の故郷である、サンビレッジ国際医療福祉専門学校の益々のご発展を心より祈念し、答辞といたします。
平成31年3月12日
サンビレッジ国際医療福祉専門学校 卒業生代表 窪田 綾音
窪田さん、ご卒業おめでとうございます。
そして、“国家試験合格” 本当に良かったですね。
あなたが流した涙は忘れません。
今度は、作業療法士として患者さんのために涙して下さい。
窪田さんのご活躍を教員一同、池田の町からお祈り申し上げます。