11月 14, 2018 カテゴリー: 言語聴覚学科ブログ
食べることは生きること。
毎日元気に学校へ通い、仕事をして、趣味活動や遊びをして…
そんな盛りだくさんな生活を送る私たちでも、食べることは日々の中で大切な楽しみの1つです。
ましてや病院や施設で暮らす高齢者の方々にとって、おいしいものを食べることどれほど楽しいことでしょうか。
しかしながら病気や加齢のために嚥下障害となり、何でもおいしく食べることができなくなる方も多いのです。
私たちSTはそんな飲み込みに問題がある方々に様々な支援を行っています。
言語聴覚学科3年生が毎年行う演習の1つに、「嚥下食調理実習」があります。
今年度のテーマは「デザートビュッフェ」。嚥下障害がある方々は、施設や病院で提供されるおやつもプリンやゼリーばかりになりがちですが、そのような方々も一緒に楽しめるようなデザートビュッフェの企画を行いました。
各グループ3品+ドリンクをメニューから考え、レシピを検討し、当日の調理に備えました。
やわらかいプリンケーキ、舌で押しつぶせるように豆腐を使って作った白玉だんごのぜんざい、マシュマロをを混ぜてふわっとした食感を出したチョコムース、丁寧にいちごの粒を取り除いてなめらかにつくったプリン・・・。
どれもやわからさ、のど越しに工夫した一品がそろいました!!
さていただきますの時間。今回は事務の窓口でいつもお世話になっている山代さんにも登場していただき、
一品ずつ説明を聞いてもらい、試食していただきました。
STは対象となる方にとって適切な食形態を検討し、それをより安全に食べていただけるよう様々な職種の方と連携し、意見を交わしながらより良い方法を提案します。
現場に出てからSTが嚥下食を実際に作ることはほとんどありません。それでもたくさんの方々がおいしく、楽しく、安全に食べることができるよう、調理という視点から工夫をしたこの経験は、将来何を食べてもらえるか考える側になったとき、きっと役に立つはずです。
心なしかいつもの授業よりも楽しそうで、キャッキャッと明るい声が飛び交った家政学実習室。
この実習で得たものが自分たちの「おいしかった」「楽しかった」という気持ちだけで終わらず、いつか出会う多くの対象者の方々に、たくさんのおいしく楽しい気持ちを伝えていってもらえると嬉しく思います。
(言語聴覚学科 森和歌子)