10月 10, 2018 カテゴリー: 言語聴覚学科ブログ
言語聴覚学科2年生では、毎年秋になると言語聴覚障害診断学の授業の一環として、OSCE演習を実施しています。
OSCE(オスキー)とは「客観的臨床能力試験」の略で、医療系職種の養成課程で広く広がってきている試験ですが、
実習を開始する前に技能や態度が一定の基準に到達しているかを客観的に評価するものです。
本校言語聴覚学科では試験としてではなく、実習を数カ月後に控えた学生達の技能を確認し、お互いに高め合う目的の演習として行っています。
今年度もテーマは「インテーク(初回)面接」
実習で評価を受け持つことになった患者さんに、まずどのように声を交わし、話を伺って情報収集していくか?
言語聴覚学科の教員を模擬患者に見立て、10分間という制限時間の中で面接を行いました。
学生達は緊張気味…。どれだけ準備してきても、伝わらないことがあると焦って頭が真っ白になることも!
順番を待つ学生達は隣の部屋からマジックミラー越しに観察しています。
1人演習が終わると、その場で教員たちからフィードバックを受けます。
学生達の今後に活かされることを期待して時には厳しい言葉も出ますが、学生達も真剣に聞き入っていました。
後日、改めて振り返りを行いました。
グループに分かれ、互いの演習を映した動画を見ながらディスカッションを行います。
「あなたのこの声掛けは患者さんの気持ちをよく理解していてよかったと思う」
「あなたのこの働きかけは患者さんには少し威圧的に感じられてしまうかもしれない」
同じ教室で、同じ勉強をしている学生同士だからこそ指摘し合い、そして理解し合えるものもあるのかもしれません。
日頃の座学の講義と違い、自分の苦手なことに直面していくことが多い演習は非常に苦しい時間もあると思います。
それでも、成功も失敗も、大切な経験の1つ!
この経験が、これから出会う多くの患者さんへの支援にきっと役立つことを期待しています。
(言語聴覚学科教員 森和歌子)