去る5月2日、県立大垣桜高校 福祉科の講習会にお招きいただきました。
当日は「作業療法士と言語聴覚士 ―リハビリの仕事―」をテーマに、本校の作業療法学科主任 廣瀬と言語聴覚学科教員 森が、それぞれの職種の具体的な支援方法を、生徒のみなさんに体験していただきながら講義をさせていただきました。
【作業療法士 広瀬】
【言語聴覚士 森】
福祉科の皆さんには「医療や福祉の世界にはこういう仕事もあるんだ」と興味・関心を持ってもらえたら嬉しいです。
【私たちの話を真剣な眼差しで聞いてくれました】
さて、「地域包括ケア」ということばをご存知でしょうか。“地域を支える医療・福祉”というワードは2025年問題が囁かれる中、今後、重要なキーワードと言えるかもしれません。そして、近い将来、その担い手として、大垣桜高校福祉科の皆さんが、この地域の福祉・医療の未来に欠かせない存在となることを心から願っております。
地元で生まれ育った若い力にこの西濃地域の福祉・医療の未来を託して…。
私たちの使命は「地域の福祉や医療を担う専門家を育て、そして社会へ還元する。」ことです。
地域に根差した地元から愛される学校を目指して、今後もこの岐阜の小さな学び舎から大きなこころざしを届けていきたいと思います。
最後に、このような機会を設けていただいた大垣桜高校の渡辺校長先生、諸先生方へ感謝申し上げます。
言語聴覚学科 森 晃雄
本日平成30年度の第1回オープンキャンパスを開催しました。
あいにくの雨模様の中、18名の方が参加していいただけました。
本校の在校生もおもてなしです。
まずは学校の概要説明をさせていただき、その後に各学科の授業を体験していただきました。
実はこの体験授業が人気なんです。
体験授業には在校生も参加します。どんな雰囲気の授業が行われているのか、どんなやり取りが教員と学生の間で行われているのか、どんなことを学ぶのかを知ることができます。
介護福祉学科は、実際の授業で行われる医療的ケアの一つである痰の吸引体験をしました。
作業療法学科では、ソックスエイドを作成し、実際に靴下を履く体験をしました。
言語聴覚学科では、ゼリーを飲み込むときに聞かれる、実際の嚥下音を聞く体験をしました。
各学科とも体験授業は大いに盛り上がっていました。
体験授業後はteatimeで在校生と意見交換。
「実際に駅から徒歩で何分かかりますか?」
「入試の問題はどのようなものですか?」
「授業についていくのは大変ですか?」
「高校の時に神経なんて勉強していませんが大丈夫でしょうか?」
「国家試験の合格率はどれくらいですか?」
「車で通うことはできますか?」
などの質問が飛び交っていました。
きっと在校生だからこそ聞きやすいこともありますよね!
今回は卒業生も参加していただきました。この4月からフェニックス 総合クリニックで、言語聴覚士として働く斎藤佐紀さんです。
現場でのやりがいや、言語聴覚士として大切なことなどをお話ししていただきました。
最後にオープンキャンパスに参加された方の感想の一例です。
「体験授業が充実していて楽しかった」高校3年生 女性
「在校生が気軽に話しかけてくれたことやいろんな方とコミュニケーション取ることができたことが印象的だった。」20代 女性
今後もオープンキャンパスを開催していきます。
皆様のお申し込みをお待ちしております。
本校3学科の、平成29年度国家試験合格率を報告させていただきます。
介護福祉学科 100%(全国平均70.8%)
作業療法学科 100%(全国平均77.6%)
言語聴覚学科 86%(全国平均79.3%)
お知らせが遅れてしまいましたが、いずれの学科も全国平均を上回ることができました。
地域で活躍できる専門家を育てられるよう、今年度も引き続き努力していきたいと思っています。
作業療法学科3年生の臨床運動学が開講し、障害を持つ方の歩行分析を行いました。
臨床運動学とは、基本的な人の姿勢、運動、動作及び作業の仕組みを理解し、異常な活動における観察と記録のための技術を身に付ける講義です。
今回は、変形性膝関節症を持つ方の歩行分析を行いました。学生が変形性膝関節症の体験キットを着けて歩行しているのをスロー動画で撮影し、歩行分析を行っていきます。
動画を再生し、問題点となる部分を観察していきます。観察する学生の目は、鋭くて、わずかな変化を捉えようと必死です。
動画が投射されたホワイトボードに問題点を記入し、正常歩行との違いを比較します。
ホワイトボードに記された違いを学生たちは、ディスカッションしながら記録をしていきます。
3年生は来月から2ヶ月間の実習へ行きます。授業で学んだことを臨床の場で発揮出来ることを願っています。
作業療法学科 教員 今井勝紀
学内での講義を通して学んだ知識を、病院や施設などの現場で実際に検査や訓練を行い、実践力をつけることが臨床実習の目的です。現場での発見と感動は、一人ひとりを成長させてくれます。
この冬、言語聴覚学科の2年生は1ヶ月の臨床評価実習を経験しました。
以下は先日行われた報告会の様子です。
先輩の発表の内容に耳を傾け、メモをとる学生の表情も真剣そのもの。
別の病院に行った同級生からも質問が飛び交います。
現場では机上のテストのように決まった正解はありません。
その場でその都度考えながら、自分で答えを導き出さなくてはならないのです。
大切なことは、もがきながらも自分なりに何かしらの答えを出すこと。
その過程で、「なぜ?」「どうして?」と考えたり、「あーでもない」「こーでもない」と色々な可能性を探ることが大切なんです。
「自分の考えが間違っているんじゃないか?」と思ったりしていませんか?
不安のあまり「緊張する」と萎縮し過ぎていませんか?
ある実習先の先生がおっしゃっていました。
「患者さんにとって一番良い方法は何なのか。色々手探りしながら考えることが大切なんです。その過程にさまざまな選択肢があるけど何が正解なのかは、やってみないとわからない。だから、自分で出した答えが仮に間違っていたとしてもそれはそれでいいんですよ。自分で考えて出した答えなんだから…」
不安でいっぱいだった学生は、その言葉に「嬉しかったです」と目に涙を浮かべながら笑顔で話してくれました。
彼女にとって、きっと忘れられない実習になったことでしょう。
実習は学生を成長させてくれます。
また、患者さんから学ばせていただいていることを改めて感じる瞬間でもあります。
そして、私たち教員は、その懸命な学生の姿からこう学ぶのです。
『初心忘れるべからず』と。
言語聴覚学科 教員 森 晃雄