今回は社会人経験を経て本校に入学した学生にスポットをあててみました。
本校には、社会人経験者の方も多く在籍していますが、言語聴覚学科に在籍するTさんもそのひとり。
実は、主婦、母親、そして学生と3足のワラジを履く頑張りママさんなのです。
「今、こうやって再び勉強ができるのも、わがままを聞いてくれた家族の協力と理解があるから。そして、クラスの仲間の支えがあるから」と語ってくれたTさん。
「言語聴覚士になりたい」と思ってから専門学校入学に至るまで、さまざま不安や葛藤もあったことでしょう。
一昨年前のオープンキャンパスに参加していた彼女。当時、いろいろと質問してくれていたことを思い出します。
そんな、彼女も今では、高校からストレートで入ってきた学生らとともに日々和気あいあいと学んでいます。
若い学生達を穏やかに見守ってくれる存在としてクラスの安心感にも繋がっているようです。
社会人を経験された方の前職や年齢、生活背景は様々です。高校を卒業したばかりの学生にとっては、彼らの言動や振る舞い、物事を計画的に進める思考力など学ぶことも多いでしょう。
それが専門学校で学ぶ良さなのではないかと感じています。
私たちは学び直したいと思う気持ちを大切にしています。
社会人経験者で医療・福祉の仕事にご興味のある方、更なるスキルアップの為に国家資格取得を考えておられる方。今年度もオープンキャンパスを開催していますので、お気軽にお問合せ下さい。
そうそう、話を戻しますね。
事務系の仕事をされていた彼女が、なぜ医療・福祉の分野で再び学ぼうと入学を決意したのでしょう?
そのインタビューの内容は次回のブログにてお伝えしたいと思います。お楽しみに。
言語聴覚学科 教員 森 晃雄
本校3学科の、平成29年度国家試験合格率を報告させていただきます。
介護福祉学科 100%(全国平均70.8%)
作業療法学科 100%(全国平均77.6%)
言語聴覚学科 86%(全国平均79.3%)
お知らせが遅れてしまいましたが、いずれの学科も全国平均を上回ることができました。
地域で活躍できる専門家を育てられるよう、今年度も引き続き努力していきたいと思っています。
今日は、言語聴覚学科1年生の授業を覗いてみることにしましょう。
教科は『基礎介護技術』、講師は本校 介護福祉学科の和久井愛先生です。
この授業では、例年、初回の授業で『障がい体験』を行っています。
まずは、使い慣れた利き手とは反対の手で折り紙を折る体験。
利き手交換をしているので通常よりも倍以上の時間がかってしまいます。“鶴”も複雑すぎて最後まで折ることができません。
白内障の体験では、疑似体験できる特殊な眼鏡をかけて針に糸を通してみました。
視界の先にはどのような視界が広がっているのでしょうか。
また、失語症の疑似体験では、音声言語ではなく身振りで伝えることの難しさも経験しました。
一生懸命伝えようと身ぶり手ぶりを駆使してもなかなか伝わらないものです。
「先生、どうしよう」「全然伝わらないです」と学生達も悪性苦闘の表情でした。
相手に思いが伝わらない事のもどかしさを感じることができたでしょうか。
聞く側の姿勢も大切です。相手のことを知りたいという姿勢があってこそコミュニケーションは成立するのです。
今回の障がい体験を通じて、何を学び、どう感じてくれたでしょうか。
本校では、教科書だけでは感じることができない“experience-based learning(体験型学習)”を大切に。
1年生のこの時期から講義(知識の習得)→実践(体験)→振り返り(ディスカッション)というスパイラル方式の授業を展開しています。
さて、次はどんな気づきや発見が学生たちを待っているのでしょう。今から楽しみです。
言語聴覚学科 教員 森 晃雄
入学式から1週間が経ち、新入生オリエンテーションもひと段落ついた金曜日の午後、新しい仲間へ歓迎の意を込めて学科交流会を開催しました。
開始直後の自己紹介では少し緊張気味でしたが、それぞれのテーブルごとに分かれてからはその緊張もほぐれたのか、笑顔で自分の出身地の話題や特技・趣味などを話してくれました。
上級生達からは、授業の話、休日の過ごし方、アルバイトなど勉強面や生活面をアドバイス。
今年も岐阜県内のみならず、東北地方や北陸地方など全国から新しい仲間がわが校へ集いました。
実は、上級生の中にも信州や関西出身者が在籍しているんですよ。
「いろんな地域出身の方々と一緒に学べるって楽しいですよね」と、感想を述べてくれた1年生のA君。
それぞれ生まれ育った地域や環境は違いますが、各地から言語聴覚士を志す若人が、岐阜県にあるこの学び舎を選んで来てくれています。
それがこの小さな学校の大きな自慢なんです。
新入生の皆さん。ようこそ自慢の学び舎へ。
この3年間で色々な発見をしてください。
そして色々な経験をして下さい。
教職員一同、皆さんの羅針盤となって言語聴覚士の夢をサポートしていきます。
言語聴覚学科 教員 森 晃雄
言語聴覚学科3年生は、今日から視覚聴覚二重障害の講義が始まりました。
文字通り、視覚と聴覚に障害を持った方の生活や社会資源について学んでいく講義です。
講義を担当して下さるのは、当事者でもある上野先生です。
今日の講義では、視覚聴覚二重障害の概論に加え、視野狭窄(視界が狭い)の体験や、全盲(全く見えない)の体験をしました。
Low Visionキットという特殊な眼鏡をかけ、視野狭窄の体験。
ホワイトボードに何が書いてあるか読んでみたり
クラスメイトがどこにいるか、手探りで探したり
距離感が掴めずに苦労をしている学生もいました。
全盲の体験では、介助者に手を引かれ、行先が分からないまま移動をしました。
「見えない」怖さからか、介助者がしっかり手を握ってくれていても、へっぴり腰に。
「ここで待ってて」とだけ伝えられ、介助者が離れてしまったため、どこか不安そうにたたずんでいました。
また、アイマスクをしたまま折り紙を折ってみました。
クラスメイトが何を折ったか手探りで確認。
なかなか芸術的な作品に仕上がりになりました!
人は、様々の情報の約80%を、視覚から得ているとされています。
その視覚情報が完全に遮断されたとき、学生たちは声をそろえて「怖かった」と話していました。
では、この「怖い」という感情は、どうしたらなくなるのでしょうか?
その答えは、講義の最後に先生がお話しして下さった中にありました。
「初めて会った人でも、どんな楽しいところに連れて行ってもらえるかワクワクします。介助してくれる人を、信頼することが大切です。」
リハビリをする上でも欠かせない信頼関係について、またいつもと違った方向から学ぶことが出来たのではないかと思います。
さて、次の講義ではどのようなことが学べるのか、楽しみです!
(言語聴覚学科 教員 板津)